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大卒新人の当たり年?サッカーJ1、7人が開幕デビュー - 朝日新聞デジタル

 先発フル出場が4人、途中出場は3人――。大学サッカー部で4年間を過ごし、今季からプロ契約を結んだ「大卒新人」。2月のJ1開幕戦で、プロの一歩を踏み出した数だ。

 明大から鳥栖に入団したDF森下は、川崎との開幕戦で、激しく、献身的なプレーを存分に発揮。「1年目だとか関係なく、チームの戦力になる」との決意通り、劣勢での引き分けに貢献した。明大から横浜FCに加わったMF瀬古は、神戸戦で初得点を記録した。

 7人ものJ1開幕戦デビューは異例の多さ。過去3季は、開幕戦でピッチに立った大卒新人は2→3→2人。今季は、6人が開幕デビューした2014年以来の「大卒当たり年」かもしれない。

 大卒新人にとって、かつては早期にJ1デビューする壁は高かった。まずはJ2以下のカテゴリーで「修業」。彼らにとっては出場機会がもらえ、資金力の劣るクラブほど、年俸が安く、若く、土台もしっかりした大卒は戦力として魅力的、との双方のニーズが合致。その傾向は今も変わらないが、あるJ2クラブのスカウトは「ここ数年、J1の上位クラブも大卒の獲得に積極的になった。我々は、より『隠れた原石』を探す必要が出てきた」と明かす。

 Jリーグの新人研修対象者(在学中のプロ契約者なども含む)をみると、J1~3の大学出身者は今季、116人と00年以降で初の3桁になった。そのうち24人がJ1へ進み、これも14年以来の20人超えだ。

 その背景の一つは、力ある若手の海外進出にある。欧州では20歳前後のスター発掘に余念がなく、J1クラブにとって、海外に送り出す選手が若いほど入る移籍金は多くなる。東京五輪世代の日本代表候補では、安部(鹿島→バルセロナ)が20歳、中山(柏→ズウォレ)は21歳、三好(川崎→アントワープ)が22歳で、海を渡った。

 一方で、20代前半の選手層が薄くなる。その穴を埋めることを期待されるのが、大卒新人だ。

 サッカーの質そのものの変化を挙げる声もある。福岡大の乾真寛監督は「現代サッカーは攻守の切り替えが早く、スプリント力、持久力といった要素が重視される。となれば、ベテランよりも動ける若手」。この傾向は今後も続き、大卒新人のチャンスは広がっていくとみる。

 もちろん、選手のレベル自体も上がっている。近年のJ1をみても、日本代表FW永井(FC東京)や、昨季MVPのFW仲川(横浜マ)ら、大卒選手の活躍も目立つ。彼らに続く選手が、再開後のリーグ戦でも出て来るか。(藤木健

J1の大卒新人、開幕戦の出場状況

      先発 途中出場

2016年  1   4

  17年  1   1

  18年  2   1

  19年  0   2

  20年  4   3

※在学中に退部してプロ契約を結ぶなど、前年までにプロとして出場実績のある選手は除く

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May 10, 2020 at 09:33AM
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