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「私のための時間を作って」と恋人に望むのは、ワガママですか? - 読売新聞

「私がワガママでしょうか」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。アラサーのトピ主さんの彼は趣味を持っており、毎日帰宅後、趣味の作業をしながらトピ主さんと電話で話をしているそうです。これは彼の希望する方法であるものの、トピ主さんは気を使ってしまって何も言えないことも多く、「片手間にされている感じ」がして寂しい、とのこと。「もっと構って欲しい、私のことだけ考えてくれる時間が欲しい」と思いをつづり、これはワガママなのかと問いかけています。

お互いに「相手を尊重する気持ち」を持てれば、すてきな関係になれる

彼の楽しみを応援したいし、その負担にもなりたくない。でもそんな崇高な思いとは裏腹に、「こちらの思いを満たしてほしい」という自分本位な願いも捨てきれない――。今回のお悩みは、真剣に恋愛をした(している)方の多くが、一度は直面する葛藤だと思います。

もともとは、好きな人には尽くしてしまうタイプだというトピ主さん。しかし、元彼との交際では「尽くしすぎて飽きられる、してもらうのは当然という態度をとられたこと」もあったそうで、その経験から、今は尽くしすぎないよう心がけているそうですね。交際では多少ワガママも主張したほうがうまくいくのでは……という考えもあって投稿されたのだろうと推測します。

読者からも幅広い意見があるようですが、人の愛し方や愛され方に“正解”はありません。「自分がどういうふうに人を愛する人間でいたいか、いられるのか」を考えてみることが助けになると思います。相手の“愛情ゆえの優しさ”にお互いが気付くことができ、感謝を持ち、その結果として「できる限り、相手の考えや気持ちを尊重してあげたい」とお互いに思い合える関係になれれば、本当に強固な絆が生まれてくるでしょう。

しかし、そのような関係性は一朝一夕にできるわけではありません。「今はまだ関係を育んでいる途中段階だ」という意識を持っておくと、思い詰めることなく落ち着いて接していけるかと思います。

「相手への愛情」と「自分のエゴ」の境界線を見極めよう

さて、「自分がどういうふうに人を愛する人間でいたいか、いられるのか」というのは、つまり、「相手への愛情」と「自分のエゴ」の境界線を決めることでもあります。このくらいは、相手を尊重したい。でも、このラインを超えると自分の心の負担が大きくなりすぎるから、良い関係を築くためにも、ちゃんと自己主張をしよう。そのラインを自分なりに見極めておくのは一案です。

トピ主さんは以前、片手間に通話するくらいなら、趣味の作業が終わってから20分くらい通話できるほうがうれしい、と伝えたそうですね。彼は反対し、「一緒にいる感じが安心するから通話をつなぎたい」と言ったため、今の形が続いているのだとか。しかし彼は、作業に夢中になった揚げ句、一方的に「寝るね」と言って会話を終えるような日もあり、だからといって通話を断ると、「悲しそうにされるか、すねるかどちらかなので、応じた方が私は気楽」とのこと。「彼に合わせている部分が大きいので、『尽くしている』という感覚」とのことですが、自分ばかりが合わせている、尽くしている……と感じているのであれば、すでにトピ主さんの“ライン”を超えている可能性もあるでしょう。

ひとつの仮説ですが、彼には趣味に没頭して交際がうまくいかなくなった経験があり、トピ主さんとのコミュニケーションと趣味の作業を効率よく両立させるには、この方法がベストだと思っているのかもしれません。しかし、今のようなやり方は、むしろ自分には負担であること、二人のためには逆効果になっていると思う……ということを、「彼の楽しみを応援したい気持ちがある」ときちんと伝えた上で、丁寧に話してみてはいかがでしょうか。

併せて、「私は今のやり方より、メリハリをつけて週1回のデートができるほうがうれしい」などと、具体的な希望を提案していくといいでしょう。仮に彼が機嫌を損ねても、簡単に折れないこと。意見を言った後は、しばらく各自で考える時間を設けるといいでしょう。

「尊重しあえる関係」になるには、気づきと感謝の心が不可欠

「趣味を尊重したくて合わせていた」と聞いて、彼がどう受け取るかは、今後の関係性において、ひとつのボーダーラインになると思います。彼が「そうか、無理をさせていたんだね」と解決策を話し合おうとするか。それとも、あくまで「自分のやり方に合わせてほしい」という態度を貫くのか――。もし後者であれば、彼は「お互いを尊重し合う関係」を一緒に目指すことが難しい相手である可能性もあります。

「あなたを尊重したい」と言ってくれる相手に、「じゃあ、そうさせてもらう」とワガママ放題をするのか、それとも「ありがとう。私もできる限り、あなたの考えや気持ちを尊重して善処するから、気軽に話して」と謙虚に受け止めるのか。どちらが長続きする関係になれるのかは、明白ですよね。恋愛もひとつの人間関係。交際期間は書かれていませんが、長期にわたるパートナーシップを築ける相手かどうか、そろそろ見極める時期に来ているのかもしれません。お互いにほどよく尽くし合い、感謝を持ち合える関係になれるお相手だといいですね。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「私がワガママでしょうか」 

外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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