「サッカー界は、想像を絶する経済的な問題に直面している。クラブやリーグに経営破綻の危険があり、仮に消滅すれば、復活できる見込みもない。
未曽有の事態のなかでサッカーが生き延びるためには、選手、ファン、クラブ、オーナーなど、サッカーに関わるすべての人が協力し、痛みを共有する必要がある」
FA(イングランドサッカー協会)理事会でグレッグ・クラーク会長が警鐘を鳴らしたように、新型コロナウイルスの影響はあらゆる社会経済活動に影響を及ぼし、サッカー界もかつて経験したことのない経済危機に直面している。
とりわけヨーロッパでは、3月の第2週から各国のサッカー活動が次々と停止され、それから約5週間が経過した現在も、その出口は見えないまま。各クラブは今後の収入の見込みさえ立てられず、必要経費だけが懐(ふところ)から流出する、という苦悩の日々を過ごしている。
そんななか、世界最大級の会計事務所「KPMG」は、仮に今シーズンの残りの全試合が中止された場合、ヨーロッパ5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)は合計約40億ユーロ(約4700億円)の収益を失うと試算した。
また、最も大きな経済規模を誇るプレミアリーグは、約12億5000万ユーロ(約1470億円)という莫大な損失を被ると予測。そのような事態に陥れば、クラーク会長が語るように、多くのクラブが消滅の危機に立たされることは避けられそうにない。
そこで、その最悪のシナリオを回避するために、当事者であるリーグ、クラブ、選手たちはお互いが痛みを分かち合うことで、この苦境を乗り切ろうと動き始めている。そのひとつとして、現在注目の的となっているのが、選手の給与削減交渉だ。
積極的に動いたのは、ドイツのブンデスリーガ勢だった。
先陣を切るように、ボルシア・メンヘングラードバッハの選手たちが給与の一部を放棄することをクラブ側に提案。それに賛同したコーチ陣も含め、高給取りの現場の人間が身を削ることによって、クラブ財政の負担軽減に協力した。
すると、ブレーメン、シャルケ、ドルトムント、バイエルンもそれに続く。たとえばバイエルンでは、選手とコーチングスタッフが20%の給与カットに合意した。
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April 18, 2020 at 09:12AM
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欧州サッカークラブ経営破綻の危機。Jリーグも対岸の火事ではない - Sportiva
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