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「私の目的は明日の勝利、それしかない」…言葉でたどる「原監督の1067勝」 - 読売新聞

 プロ野球・巨人の原辰徳監督(62)が11日のヤクルト戦(東京ドーム)で監督通算1067勝を達成、巨人監督の歴代勝利数で単独トップに立ちました。

 野手総合コーチ、ヘッドコーチとして仕えた長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)から43歳で巨人監督のバトンを引き継いだのが2002年シーズン。通算14季目となった今年、その長嶋終身名誉監督の1034勝を7月14日の広島戦(マツダスタジアム)での勝利で抜いて単独2位に。さらに、巨人を日本シリーズ9連覇に導いた川上哲治元監督の1066勝をも上回りました。

 節目の勝利を、読売新聞に掲載された当時の言葉・写真とともに振り返ってみました。(読売新聞オンライン 斎藤明徳)

2002年4月3日 3―2中日(ナゴヤドーム)

 巨人は延長十回、一死二塁から松井が中前安打を放って1点を勝ち越し。その裏は新ストッパーの河原で逃げ切り、開幕4連敗を免れた。原監督は初勝利。前田は移籍初白星。

 原監督「少し安心している部分はある。(連敗中も)一人一人が強い集中力を持って戦っていたので手ごたえは感じていた。みんないい仕事をしてくれた」

 8月に点灯した優勝へのマジックナンバーは2度消滅したが、9月11日に「15」を点灯させてからは順調にVロードをまい進。同23日の阪神戦に勝利し7連勝(82勝47敗2分け)、マジックも「1」に。翌24日、同じ甲子園球場での阪神戦の試合中に2位ヤクルトが中日に敗れて優勝が決定した。試合は2―3でサヨナラ負けだったが、監督1年目で胴上げを味わい「3月30日の開幕以来、死力を尽くして戦ってきた結果がリーグ制覇につながった。3連敗からのスタートだったが、我々は若いチームだし、一戦必勝という戦い方しか知らない。それをやり抜いた結果がこうなったと信じています。選手たちには、巨人らしい素晴らしい技とスピリットを出してくれたことに感謝してます。(胴上げの感想は)どういう言葉で表現していいか分からない。でもうれしいものですね」

2007年5月2日 5-3中日(ナゴヤドーム)

 巨人は延長十一回、ホリンズの三塁打などで2点を勝ち越し、その裏を上原が締め、5000勝を達成。中日は岩瀬が打たれ、落合監督就任以来初の6連敗。

 「(開幕29試合目での5000勝達成に)1試合でも早くと思っていたが、いい時期にできた。ミスも出たが、みんなでカバーしてくれた。延長に入ってギリギリのところで勝てたのも、ファンの気持ちが後押ししてくれたと思う」

07年6月8日 3-2楽天(東京ドーム)

 球団通算5000勝達成の記念イベントとして、川上哲治元監督のもとで9連覇(1965~73年)の偉業を達成したメンバーが始球式の際に守備についた。三塁の位置には2004年に脳梗塞で倒れて以来、初めて東京ドームのグラウンドに立った長嶋茂雄・終身名誉監督が入った。また、マウンドに通算203勝の堀内恒夫さんが登り、二塁に「いぶし銀」の土井正三さん、中堅に「赤い手袋」の柴田勲さんが立つなど、懐かしい布陣をファンに披露した。

 この試合、巨人は六回にホリンズの左越え3ランで逆転し、4投手の継投で逃げ切った。6回2失点の高橋尚はリーグトップの8勝目。

 「ホリンズがいいところで打った。二死から二岡が出て阿部がつないで劇的だった。劣勢の中、先輩たちが築き上げてきたもの、ユニホームの力で勝たせてもらったような気がします」

2009年9月23日 5―3中日(東京ドーム)

 セ・リーグは優勝マジックを「1」としていた巨人が2位中日に勝ち、3年連続33度目(1リーグ時代を含め42度目)の優勝を決めた。セの3連覇は巨人のV9以来、巨人としては4度目となる。

 巨人が09年シーズン初の7連勝。二回に谷の本塁打で先制。四、七回にラミレスの本塁打と適時打などで加点した。オビスポが5勝目。

 「今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)もあり、開幕前は不安もあったが、選手が本当に強くなって、一人一人がチームを引っ張ってくれた。(V9以来の3連覇に)先輩方に一歩近付いたが、これも通過点。さらなる熱い熱い戦いに全力、死力を尽くして戦いたい」

2010年5月13日 9―1西武(東京ドーム)

 チームがシーズン25勝目を挙げ、監督通算500勝を達成した。

 巨人は坂本の7号ソロ、8号2ランなど計4本塁打を含む13安打で9点を挙げ大勝した。先発藤井は7回1失点で3連勝。

 「(監督通算)500勝というより今日勝てたことが安心、うれしさになる。(ウィニングボールをスタンドに投げ入れ)一足飛びに達成できるものではないし、ファンの皆さんのおかげということでああいう形になった」

2014年9月26日 6―3DeNA(横浜スタジアム)

 セ・リーグ優勝に向けマジックナンバーを「2」としていた巨人はDeNA戦に勝利、2位の広島が阪神に敗れたため優勝が決まった。原監督は2007~09年以来、2度目のリーグ3連覇を達成した。

 巨人は四回、亀井の右前打、片岡の2点適時打で3点先行。六回にアンダーソンと村田の本塁打で加点した。内海が八回途中3失点の力投を見せ、西村、山口、マシソンの継投で反撃を封じた。

 「今年は本当に長く、険しく、大変なシーズンだった。しかし、全員が団結して、もがき、汗をかき、知恵を出して頑張ってくれた。苦しんだ分、ファンの方の喜びも大きいと思う。ファンの皆さん、おめでとうございます」

2019年7月30日 8―5広島(東京ドーム)

 シーズン53勝目となり、監督として通算1000勝(751敗57分け)に到達した。

 巨人は一回に亀井の適時打で先制し、中盤以降も着実に加点した。デラロサは来日初セーブ。広島は八回に2本塁打で追い上げたものの、連勝は9で止まった。

 通常のヒーローインタビューに代わってお立ち台に上がった原監督。就任1年目を回想した後、「朝になれば『今日、どう勝つか』、夜になれば『あした、どうやって勝つか』。その積み重ねでこの数字に来た」と振り返った。次に目指す数字として、長嶋終身名誉監督の通算1034勝が挙がると、「私が目的をここで言うならば、あしたの勝利。それしかない」と力を込めた。

19年9月21日 3―2DeNA(横浜スタジアム)

 巨人が5年ぶり37度目のセ・リーグ優勝を決めた。1リーグ時代を含めると46度目。4季ぶりに指揮を執る原監督は通算13シーズン目で、2002年、07~09年、12~14年に次ぐ8度目の優勝。

 優勝へのマジックナンバーを「2」としていた巨人は2位のDeNAと直接対決。九回に小林の適時打で追いつくと、延長十回、増田大が勝ち越し打を放った。

 「(涙を流し)非常に新鮮ですね。年をとるとちょっと涙腺が弱くなるのかもしれませんね。すべて固定観念を捨ててきた。今までにない素晴らしいチームだと思います」

2020年7月4日 7―3中日(東京ドーム)

 監督通算勝利数を1034勝(779敗59分け)とし、球団歴代2位の長嶋終身名誉監督に並んだ。

 巨人は一回に丸の3ラン、二回に坂本のソロで先行し、中盤以降も着実に加点した。先発の田口は3回で降板したが、継投でかわした。中日は吉見が試合を作れず。

 「(監督通算1034勝に)一年一年の積み重ねで、きょうまで来ている。まだ志半ばというところ。(丸は)100点満点。(坂本が2戦連続本塁打で)うちの中心打者がああいう形でいってくれると非常に良いですね」

20年9月1日 3―2DeNA(東京ドーム)

 「V9」を成し遂げた川上哲治元監督の「生誕100年記念試合」として開催され、チーム全員が永久欠番の背番号「16」を着用。八回に追いつかれたが、九回に吉川尚の右前打でサヨナラ勝ちを飾り、3連勝。デラロサが今季初勝利。

 「(九回無死満塁で)一番怖いのが併殺打。(吉川尚は)足が速い打者で、コンタクト率はあるから何とかするだろうというところで(そのまま)行かせた。(八回途中で降板の菅野)智之はあと一死というところがね。勝負の世界は簡単にはいかない」

20年9月9日 5―4中日(ナゴヤドーム)

 原監督の通算勝利数が、巨人歴代1位の川上哲治元監督の1066勝に並んだ。

 快挙を目前とした段階で読売新聞のインタビューに応じた。(聞き手・西村海記者)

 ――偉大な数字に並ぶ。

 「まだ前しか見えていないから。本当にまだ青春まっただ中よ。(2015年オフに)高橋由伸前監督にバトンを渡した時に1000勝まであとちょっとだったんだ、というのはあったけど、もう忘れているわけだよな。戦場にいるわけだから」

 ――川上氏らから継承しているものは。

 「やっぱり『勝つ』ということ。そこを大目的とした集団を作るということ。ファンに愛されるチームを作るということ。僕がチームを作る上において実力至上主義であると。それを思わないと、選手たちを思い切って使うことはできない」(9月10日付朝刊運動面から抜粋)

 試合は七回、大城のソロと坂本の3打席連続弾となるソロで2点勝ち越した。継投で逃げ切り4連勝、2番手の鍵谷が昨季移籍後初白星を挙げた。

 原監督「苦しいゲーム。いつもなかなか勝負というのは簡単にはいきませんね。(3連発の坂本は)見事な打撃ですね。一番(本塁打の)出づらい球場でね。きょうは中川とデラロサは登板予定はなかった。そのなかで(救援陣は)よく頑張ってくれた」

 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督「1066という通算勝利数は大変立派であるが、それ以上に注目すべきは、やはり、川上さんの記録に並んだということに尽きるだろう。川上さんは、プロ野球史上唯一のV9を成し遂げた方である。シンプルな言葉になるが、それは本当にすごいことであり、大変意義のあることと言えるだろう。原監督は、まさにジャイアンツの歴史を塗り替えた一番の名将となった」

20年9月11日 2―1ヤクルト(東京ドーム)

 原監督の言葉や試合経過は、12日付の読売新聞朝刊でご覧ください。

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