コンテストで提案へ
郵送による全国対象の包丁修理サービスなど、能登の鍛冶技術の発信に力を入れる能登町宇出津の老舗「ふくべ鍛冶」が六日、神奈川県鎌倉市で開かれる地方創生のビジネスコンテストに出場する。人工知能(AI)による全自動包丁研ぎ機開発などのアイデアを披露し、協力企業を募る。四代目の干場健太朗さん(40)は「能登を『道具メンテナンスの聖地』としてアピールしたい」と話している。(加藤豊大)
コンテストは同市の公益財団法人が主催する「ジャパン・チャレンジャー・アワード2020」。各地域の予選から選ばれた全国の農業や観光業者ら七人が、同市の建長寺本堂を舞台にビジネス案をプレゼンする。干場さんは、鍛冶職人の経験や技術をAIに学ばせ、機械が自動で包丁の状態を認識して磨き切れ味を取り戻すロボットの開発などを提案する。
ふくべ鍛冶は、切れ味が落ちた包丁を郵送してもらい修理をした上で送り返すサービス「ポチスパ」を二〇一八年にスタート。現在まで全国四十七都道府県からインターネットを通じて年間一万本を超える利用があるなど人気は右肩上がりで、機械化の需要は十分と考えている。
「包丁は国内外どの家庭にも必ずあり、将来的には海外進出も想定できる。全自動機械を開発し、仕上げを手作業で行うようになれば能登の職人の雇用増にもつながる」と語る。自身も来月からAIについて学ぶスクールに通う予定といい、「能登に根付く道具を長く大切に使う文化を発信し、思いに共感してくれるメーカーなど協力者をコンテスト終了後も広く募りたい」と話した。
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